9/13日時点で確認したニュースチェック

本日ニュースチェックに、数時間費やしたため、整理のためここに記したい。

 

・会計士のCPE単位の不正受講取得(協会のプレスリリースや各新聞にて)

公認会計士法第28条においてCPE取得が法定義務化されているというのは、受験生は監査論総論でちょろっと習う程度で、実際には監査法人等に入ってから、日常生活に組み込まれることになる。

実際、理論と実践は乖離があるというのがジュニアやシニアぐらいの方のご意見ではないだろうか。試験合格直後は、会計の専門家だと少し鼻が伸びても、入社後、エクセル処理で躓いたり、事務作業に追われて、被監査会社の担当者のほうがはるかに知識経験が豊富で太刀打ちできない状況になり、謙虚になる方もいらっしゃるだろう。

 

会計は経営者の見積もりや判断が介入するからこそ、公認会計士が会計ルールに則って適切に財務情報が開示されているかどうかお墨付きを与える需要が生まれる。

 

個別企業の税務申告を税理士が担う場合、税務リスクをどのようにとるかは各税理士次第だが、きほんて基本的には、税理士法の通り、国税庁の通達等に基づき適正に申告することが仕事だが、利害関係者は、上場企業の監査制度より少ない。

 

会計士は責任が重いのは当然だが、監査の品質管理や不正リスク対応がより求められて実務で忙しい中、CPEを年30~40単位取得するのは、個々の生活環境にも良いるが、容易なのかは何とも言えない。

 

話はもどりますが、今回あずさでは仮想デスクトップを使い、複数端末で同時受講していたのが問題とのことである。これは当然当事者の倫理欠如を責めるべき部分もあるが、そもそもこのような状況を発生させないように、監査人に求める業務を判断によるべき部分に限定し、受講時間を監査法人側で明確に時間を割り当てていく必要があるように感じた。専門家は自由に働きがちなので、なおさら、ログ管理はもちろん物理的に受講場所を設定し、講義以外は受けられない(倍速は可)等の対応が個人的には望ましい気がするのですがいかがでしょうか。

 

会計士会館の講義も時には必要ですが、CPE取得wpすべてを椅子に座って、倍速なしで強制するのは、IT導入を積極的に進めていく姿勢に逆行することになるし、さすがにそのような対応は求めないだろう。

 

今回の原因は、会計士が忙しいこと等に起因した組織的常習的な事象であると解する。報酬面はかろうじて資格の需給をコントールし、最低限担保できているだろう。だからこそ繰り返しになるが、監査の質向上を人間に求めるなら、彼らが不正受講しなくてもよいように、業務量を判断に影響を与える事象に絞って欲しい。

もちろん金融庁や会計士協会もIT化を支援しているようで、各監査法人でもIT人材を大量に導入し、雑務をITで処理できるようになっており、DXも急速に進捗している。同時に監査の厳格化が求められるにしろ、少なくとも、ITによる業務削減が監査の厳格化による仕事増大を絶対値で上回っている状況でなければならないとは思う。

 

もちろん他の団体のリアルセミナー等でCPEが取得できる機会も素晴らしいですが、コロナの影響もあるので、オンラインでのCPE取得も引き続きネットのメリットを生かしなが推奨していくのがいいのではないだろうか。

 

毎月送られてくる会計・監査ジャーナルは他の雑誌に遜色ない情報量に富んだ読み物だと思うし、会計士の時間確保にITが貢献し、会計士自身のIT不正が少なくなればと思った次第です。

監査論も監査論各論で財務諸表チェックに関する姿勢や手続き、報告方法を学んでも、実践では即役立つが、仕事がクライアントの長年経理畑を歩んでいた人に及ばないように、職業倫理規定をどれだけ学んでも、現場で職業倫理順守できる環境構築ができなければ、労働衛生上の問題が顕在化したり、今回のような複数同時受講という事象が発生していまう。

 

仮想デスクトップが悪いとか、そういうことより根本的な問題を対処しなければならないし、職業的専門家として監査制度が社会に引き続き受け入れられ、JCPAとしての価値を保持していくためにも、会計士業界全体が、様々ステークホルダーを巻き込んで、業務時間を増やす以外の方法で監査人の物理的な時間確保を行っていくべきだと感じる。

 

ここまで繰り返し、述べてきたが、飛行機のパイロットのような存在がJCPA(日本の公認会計士)のあるべき姿な気がしてならない。

 

例えば、飛行機のパイロットは基本、着陸と離陸以外が割とゆったりされている(印象)ですが、必要な時は、職業的専門家として適切なジャッジをされている(2008年のハドソン川の奇跡?も確かマニュアル通りだと下位の位置づけの処理を真っ先に行ったおかげで助りましたよね)。これが会計士としてのあるべき姿と重なる気がします。

 

みなさんも東京に帰る国内線で羽田に練馬区→新宿→大田区等と着陸態勢に入る飛行機がビルすれすれ(に見える)を飛び、滑走路に着陸する瞬間は毎度、乗客も少し緊張感があるのではないだろうか。

全体の作業の中ではごく一部だがもっとも重要な作業を真剣を行える環境づくりができているからこそ安全を担保できているのではないだろうか。

 

会計士も重要な判断を行い、監査報告書に記載する内容を吟味することに真剣に取り組んだうえで、精神的にも時間的にも余裕がとれて初めて、不正なく研修を受講し(聞き流しも厳密には不正受講に当たると思われる)研修内容を適切に吸収し、より実践で知見を活かせるようになるのではないだろうか。

 

あくまで個人の意見で一切、所属団体やその他とは全く関係はありませんので、その点ご留意ください。